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「また、カッとなって言い返してしまった…」 「どうして、あの人は私のことを分かってくれないんだろう?」 SNSで、つい感情的なコメントを書き込んで後悔した…。

日常のふとした瞬間、私たちはなぜか冷静さを失い、短絡的な思考や行動に走ってしまうことがあります。後で振り返って、「なぜあんなことを…」と自己嫌嫌に陥る経験、あなたにもありませんか?

実はそれ、あなたの性格だけの問題ではないかもしれません。私たちの脳に備わっている、ある「仕組み」が関係しているとしたら…?

今日は、そんな私たちの思考のクセ、「つい短絡的になってしまう」理由と、そこから抜け出して、より良い人間関係や思考力を手に入れるためのヒントを、脳の働きから探っていきましょう。

なぜ私たちは、つい「短絡的」になってしまうのか? 脳の“省エネ戦略”の秘密

人が短絡的な思考に陥るのには、様々な理由があります。ストレス、情報不足、強い感情…。しかし、もっと根本的な理由として、**脳の「エネルギー節約(省エネ)戦略」**が挙げられます。

私たちの脳は、驚くべきことに1日に約35,000回もの意思決定を行っていると言われています。「何を着るか」「何を食べるか」といった小さな選択から、仕事や人生に関わる大きな決断まで。この膨大なタスクをこなすために、脳はできるだけ効率よく動こうとします。

そこで活躍するのが、心理学で言われる**「システム1」**という思考モードです。これは、直感的で、感情的で、そして何より「素早く」「エネルギーを使わない」思考のこと。いわば、脳の“自動運転モード”です。

危険を察知して瞬時に身を守ったり、日常的なルーティンを考えずにこなしたりするには非常に便利です。しかし、このシステム1が優勢になりすぎると、私たちは物事を深く考えず、反射的に、短絡的に判断してしまうのです。

人間関係の“すれ違い”の原因? 「システム1」と「システム2」の使い分け

この「システム1」の働きは、特に人間関係において、意図せぬ摩擦やすれ違いを生む原因になりがちです。

例えば、自分と意見や価値観が違う相手に出会ったとき。 システム1は、「自分と違う=間違い、敵」といった単純なレッテル貼りをしやすく、感情的な反発を招きます。相手の話をじっくり聞く前に、「でも」「だって」と反論してしまうのは、まさにシステム1が働いている証拠かもしれません。

一方で、私たちの脳にはもう一つ、**「システム2」**という思考モードも備わっています。これは、論理的で、分析的で、じっくりと考える思考のこと。意識的にエネルギーを使って、「本当にそうだろうか?」「相手はどうしてそう考えるのだろう?」と多角的に検討するモードです。

人間関係を良好に保つためには、このシステム2を意識的に使うことが非常に重要です。相手の立場や背景を理解しようと努め、感情的な反応を抑え、建設的な対話を目指す。これらはすべて、システム2の働きによって可能になります。

しかし、ここには大きな矛盾が存在します。 「誰もが人間関係を良くしたいと願っているのに、なぜか対立や誤解が起こると、多くの人がシステム1に頼ってしまう」 これは、システム1が脳にとって「楽」であり、特に感情が揺さぶられる場面では、本能的にシステム1が優位に立ってしまうからです。システム2を使うには、意識的な努力とエネルギーが必要なのです。

「じっくり考える力」を高めるには? 睡眠と“朝時間”が鍵だった!

では、どうすれば私たちは、感情的なシステム1の反応に流されず、冷静なシステム2を上手に使えるようになるのでしょうか?